ワンポイントアドバイス

      おことわり:このほどこのワンポイントアドバイス」コーナーの一層の充実を図るため、税務関係のアドバイスに限定をしないで、私がお客様から相談を受けた事項(税務のみならず経営全般についての事柄も含む)について私の考え方や相談事項を記載することとしました。直接の答でなく、ご不満な点もあるかも知れませんが、考え方のご紹介といろいろのケースがあることを一緒に検討をしたいと思います。そういう意味で問題提起を含んでいるということでご理解下さい。当事務所では税務に限らず、皆様のお役に立ちたいと思っています。どんなことでも良いので、ご相談がありましたらご遠慮なくお申し越し下さい。(だめなものはだめといいます。)

新しく商売を始めようと思います

 問:新しく事業を始めたいのですが、どのような準備が必要でしょうか

  答:それは積極的で良いですね。私どもでは、新規開業については経営計画の立案を含めて、順調に事業が進められるようにご相談に応じています。ところで、実は代表者である奥谷も、碧南商工会議所での「創業塾」に参加をして勉強をしています。私たちの立場からは、つい事業計画など数字の面からアプローチをしがちですが、商工会議所の創業塾では「経営理念」などから考えています。各種届出や記帳の仕方などはもちろんご説明しますから安心して下さい。

これらも総合的に考えて、うまく進められるように頑張りましょう。

相続税対策を考えています

 問:私も高齢になりましたので、相続税のことが気になります。前もってやっておくと良いことを教えてください。

  答:一般的ですが次のようなことが考えられます。

  まず、今年の税制改正で相続財産に取り込む贈与財産が、相続開始前3年から7年に変わりました。これまで以上に事前・早めの対策が肝要になります。また、相続時精算課税制度が使いやすくなりましたがなお問題がある制度ですので、適用にあたってはよく相談をしてから進めましょう。一般的には、暦年贈与を上手く使ってゆく、結婚生活20年以上の配偶者への贈与、遺言を作る、さらには養子縁組などがありますが、それぞれの家庭の事情などを十分検討しなくてはいけません。相続税はお金の問題ですが、家族は一生です。じっくり話し合って検討をしましょう。


 申告が終わったけれど税務調査が心配です

 問:相続税の申告をお願いして、期限内に終わって安心をしました。よく、税務署の調査があるということを聞きますが、それが心配です。

 答:ご心配なくお過ごしください。頂いた資料については十分に検討をして申告書を作っています。もちろん申告書の適否は税務署が決めることですので、税務調査があるかどうかは今ここで決めることはできません。あなたの場合も調査があるか否かは数年かかって税務署が判断をします。しかし、仮に税務調査があるときは私どもが調査に立会い、キチンと主張をしますのでご心配をいただくことはありません。また、税務代理権限証書という書類も出していますので、税務調査があるときには私どもの事務所に連絡があります。

事業復活支援金と感染防止対策協力金、そしてその他の補助金

 問:事業復活支援金と感染防止対策協力金というものがあるということですが、私も受けることができるのでしょうか。

  答:期間が終わりましたので、現在は使えません。当時は、国の制度として事業復活支援金というのがありました。また愛知県ではこれとは別に、愛知県感染防止対策協力金という制度もありました。事業復活支援金は、前年または前々年の同じ月に比べて30%以上売上が下がっている場合に申請をすることによって受けられました。感染防止対策協力金は、飲食店が営業時間を短縮したり、酒類の提供時間を規定時間内に限定するなどの制限をするということで受けられました。場合によっては両方を受けることができました。しかしこの制度は5月31日までにIDを取得し、6月14日までに申請をすることが条件でしたので,期間が終わりました。

 この制度は終わりましたが、今後も各種の補助金が出てくるかも知れません。その場合は認定支援機関である当事務所にご相談下さい。なお碧南市では私の事務所等に支払った手数料がある場合は,条件によって半額を補助するという制度があります。

臨時の収入への対応

 問:当社は業績が悪くて困っていますが、今年度に限ってコロナの関係で補助金が入ったため思わぬ利益が出ました。税金を払うのは仕方ありませんが、今後の見通しも悪いことから、利益の繰り延べを計りたいです。

 答:そもそもコロナ禍関連の補助金は、コロナ禍を原因として業績悪化した企業を支援するものですので、利益が出たら納税をすることは当然です。しかし、この状況がいつまで続くかわからないという不安があり、そうなると利益の先延ばしをしたい、というのも人情です。そこで例えば小規模企業共済掛金とか、倒産防止共済など自社の将来を見据えた保険や共済金をかけておくのはどうでしょうか。それぞれの制度の特徴などがありますので一緒に検討をしましょう。

個人事業の事業承継

問:農業をしています。事業主を息子に変えたいのですが税金が心配です。

 答:個人事業の事業承継には特例もあります。詳細は「事業承継のご相談」をご覧下さい。


 遺言書の作成

問:私も年をとってきたので、財産をどのようにしようかと思います。私の財産を誰が引き継ぐのでしょうか

 答:亡くなった後のことは誰にも分かりませんので、心配ですね。特に最近は相続による兄弟の仲違いがよく起こっていますので、それも心配の種です。一つの方法として遺言を作っておかれると良いと思います。遺言も公正証書にした公正証書遺言が良いでしょう。その場合、遺留分にも配慮をしておくと良いですね。また、遺言は一度作ると決定的というわけではなく、何度でも後から変更ができますので、今の気持ちを素直に表現をすると良いでしょう。公証人の先生をご紹介しますから、安心をして下さい。

 領収書がもらえない仕入

 問:仕入先のうち1軒が領収書をくれません。どうしたらいいでしょう。そこからは特別安く仕入れることができるので断りたくありません。

 答:困りましたね。少なくとも、何月何日に何をいくらで買ったかは記帳をしておいて下さい。また、相手先の屋号が分かったら屋号を記録して下さい。自動車に○○商店とか何とか書いてありませんか。それも分からなかったら自動車のナンバーでも良いので控えておいて下さい。また、商品が特定できるのであればいつ仕入れた商品が、いつ、いくらで、誰に売ったかが分かるメモを残しておくと良いですが同じようなものがいくつかある商品だと追跡は難しいかも知れませんね。税務署は否認をするかも知れませんが、事実は事実として主張をできます。ただし、消費税法からは仕入税額控除を受けることはできませんので。申告当初から引かずにおくしか仕方ありません。


開業にあたって

問:今年から商売を始めました。税金の申告について何も知りませんので不安です。

 答:何も心配をすることはありませんよ。わかりやすく、説明をしますから安心をして下さい。分からないところはいつでも質問をして下さいね。まず、開業届を出しましょう。用紙は国税庁のホームページからダウンロードできます。また、自分で記帳をすれば事業の内容もよく分かりますから、自分で記帳をしてみましょう。記帳の仕方も説明します。複式簿記でキチンと経理をすれば、青色申告ができます。青色申告には青色申告控除など税務上の特典もあり、さらに電子申告をすれば税負担も少なくてすんで良いでしょう。これらについてはその都度説明をしますので安心してご相談下さい。

医療費控除の確定申告

問:昨年1年間の医療費が多額です。確定申告をすると税金が返ってくるということですね。

 答:はい、医療費控除の申告をすることによって税金の還付を受けることができるということは、かなり知られてきました。しかし、さらに           次のような点にも注意をしましょう。

 1.医療費は単純に医師に支払ってものだけではなく、治療のための薬品代、柔道整復師や鍼灸師などの費用、治療のために必要だった交通           費なども医療費に該当します。出産の費用も医療費として取り扱われます。健康食品、スポーツドリンクなどは該当しません。

 2.介護施設などへの支払の中には、医療費に該当をするものと該当しないものがありますので区別をしなくてはなりません。

 3.生計を一にしている親族の医療費は合算をして申告をすることができます。一方、医療費控除は200万円が限度ですので親族の医療費が合            計で210万円を超えた場合は一人につけるではなく、分散をした方が有利な場合もあります。

 4.還付を受けるための申告は、2月15日を待たなくても提出をすることができます。反対に3月15日を過ぎても提出することができます。過           去5年間に遡って申告をすることもできますので見直してみてはいかがでしょうか。

 相続税の試算

問:相続税のことが心配です。試算をすることができますか。

 答:相続税の基礎控除とか仕組みについては、多くの方がご存じですが、実際の計算になるとなかなか取りかかっていない方がたくさんいらっしゃいます。特に土地に評価については、通達で定められている部分が多く、例えば固定資産税評価額で計算をするわけではありません。一方、預貯金等は出し入れによって動きますし、生前贈与などの対策も考えますので、仮の数字を決めておいて、早い段階で相続税の試算をすることはとても良いことと思います。ケースを考えながら一緒に試算をしてみましょう。

居住用不動産の贈与

問:相続税に対する事前対策として、先ずやらないといけないことは何でしょうか。

 答:事情によっても異なりますが、通常の場合私どもは、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産の贈与をお勧めしています。これは、通常の贈与税の基礎控除110万円の他に2000万円の控除を使うことができますし、贈与する側の意志能力があれば、相続開始直前までのいつでも実行することができます。そのうえ、この贈与によって移った財産は、たとえ同じ年に相続が発生しても相続財産に取り込まなくても良いです。実際に居住をしている土地建物であることが必要ですし、同じ敷地内に夫婦の居住用建物以外の建物があるときは分筆をしなくてはなりませんので、いくつか注意をする点もあります。また、夫が先に亡くなると思って、妻に贈与をしたが妻の方が先に亡くなってしまったという例もありますので、一緒に検討をしましょう。

 扶養と税金について

問:年末が近くなりパート先の勤務時間と配偶者の扶養・税金のことが気になります

 答:主にパートやアルバイトをしている人は年間の収入が103万円以下であれば所得税はかかりません。配偶者の年間所得金額が1000万円以下であれば配偶者控除が受けられます(所得により控除額が異なります。)。年間収入が103万円を超えると①所得税がかかり、配偶者控除が受けられず配偶者特別控除が受けられることになりますが夫婦の所得によって金額が変わります。②106万円を超えると社会保険料の支払いが発生するかも知れません。③130万円を超えると社会保険料の支払いが発生し、勤務条件によっては他の影響があるかも知れません。個別具体的に検討することが必要です。

 同族会社株式の贈与

 問:会社の社長を息子に譲りました。責任感を持たせるために、私(前社長)が持っている自社の株式を息子に贈与しようと思います。良いでしょうスカ。     

 答:それは新社長も意欲を持って下さるでしょうから良いことですね。まず、自社の株価がいくらになっているかを計算をしてみましょう。また、今は『事業承継税制』『特例事業承継税制」がありますので、これを使うかどうかも含めて考えましょう。この二つの事業承継の税制特例は、贈与にあたっては税金を納めなくても良いのですが、現在の株価を固定しますので、今後の経営判断を誤ると返って不利になることもあります。暦年課税とか相続時精算課税とかを含めて、いろいろの角度から検討をして進めましょう。

法人設立について

問:事業を始めてまだあまり期間がたっていませんが、従業員も採用をして順調に推移しています。それで会社組織にしたいのですがどのような手続きが必要ですか。また、法人になるといろいろの補助金もあるようですのでそのことも教えて下さい。

 答:順調のようで良いですね。会社を作ることにつては、税理士だけではなく公証人、司法書士などとも仕事が絡み合いますので準備をしましょう。それぞれの仕事については、その都度連絡をしますので安心をしていて頂けば良いでしょう。ところで、補助金については会社であればどの会社でも補助の対象になるというものではありませんので事業の計画や内容などについて検討をしましょう。補助金目的だけで会社を作ることは危険も伴いますので一緒によく考えてみましょう。

個人事業者の事業承継

:私も高齢になって来たので事業を専従者の息子に引き継ぎたいのですが、貸借対照表上の元入金が2千万円以上あります。これをそのまま引き継ぐと、多額の贈与税がでるかと心配です。

 答:個人の事業承継には特別の税制もありますが、あなたの場合は通常の事業承継で対応できそうです。まず、預金勘定はそのままあなたが使います。売掛金は、事業承継後もあなたか回収をしましょう。棚卸資産はキチンと計算をして適正な価格で息子さんに売却しましょう。固定資産については名義のいかんに関わらず固定資産税、減価償却費等は、実際にそれを使って収益を上げている人の経費になりますから、名義を換えないで息子さんに使わせてあげましょう。仮に息子さんから地代等を受け取っても、息子さんの経費にはなりませんし、あなたの収入には入れません。その他、いくつかのポイントがありますから、相談をしながら進めましょう。なお、運転資金が困ったら、贈与税の負担を考慮しつつ資金の贈与をすることもできます。

   

 相続税の試算     

問:私も高齢になってきましたので、相続のことが心配になって来ました。事前に相続税がどれくらいかを試算してもらうことができますか。

 答:もちろんやっていますよ。よくあるご相談です。固定資産がどれくらいあるか、その他の有価証券や預貯金がどれくらいあるか、などと相続人が何人あるかをみて一緒に考えましょう。相続税のご相談はよくありますが、相続税法にはいろいろの特例、特典があります。相続時精算課税制度や事業承継税制など様々な手法も使います。一緒に考えてゆきましょう。

  貸したお金の債権放棄

    問:知り合いの会社にお金を貸していますが、もう何年も返してもらえません。あきらめてしまおうと思います。

 答:債権放棄をすればそれはそれで解決をしますね。ただし、債権放棄をするにはできれば内容証明郵便など後日の証拠となる物をそろえておく方が良いと思います。あなたは単なる個人ですから債権放棄をしても特に問題はありませんが、相手先が企業であれば税務上、債務免除益を計上することになりますから所得の計算に入ります。その点も考えておきましょう。           

  M&Aにおける資産価値の評価 

   問:会社の業績が良いです。ここで、さらに一層の飛躍を計るためM&Aで企業の買収をしようとしています。奥谷事務所では、相手先企業の株価算定とか財務分析などをしてもらえますか。

  答:もちろんお手伝いをしますよ。M&Aは会社にとって重要な経営戦略ですので一緒によく検討をしましょう。当事務所は専門家として「M&A支援機関」に登録をしています。安心をしてご相談下さい。具体的な内容はここには記載できませんので、ご一緒に考えてゆきましょう。(トピックスを参照してください。)           

  申告不要な人の確定申告  

 株式等の売買を「特定口座」でやっており、「源泉徴収あり」を選択して見えた方がありました。当事務所では、たまたま、その方の所得を見ることになりましたが、ご自分では「『源泉徴収あり』を選択しているので納税関係は完結をしている」と思って見えました。私どもで資料を見たところ、3年前に株式の譲渡損が多額に発生していることが分かりました。そこで3年前に遡って、そこから3年分の確定申告をすることによって源泉徴収をされた所得税の還付を受ける事になりました。 思いがけず多額の税金が返ってきましたので、とても喜んで頂きました。でもこれって元々の権利ですよね。          

    相  続のための準備いろいろ

   問:私も高齢になってきましたので、子供達に財産を引き継ぐ準備をしようと思います。どんな点に注意をしたら良いでしょうか。

 答:最近は相続は争族といわれることもあるほど、後々に問題が起こることが多いです。早くから、つまりお元気なうちから財産相続の準備をしておくことが良いと思います。それにはまず、生前の何年かにわたって贈与を繰り返しておくという方法、相続時精算課税という方法もあります。また、遺言を作成して自分の意志をはっきり残しておくことも良いと思います。遺言は公証人の先生にキチンとお話をして書類にしておく公正証書遺言が良いと思います。税理士が直接関わることではありませんが、ご紹介などをしますし、内容についても相談に応じますので、一緒に円満な相続の準備をしましょう。 

   

  自動車の所有者と利用者が異なる場合

 問:私は既に自動車をもって使っていますが、このほど娘のために娘の使う自動車を購入しようと思います。私の名義の自動車の、使用者を娘にしても良いでしょうか。理由は保険に加入する都合です。また自動車は贈与税の基礎控除を上回るので娘の名義にはしたくないのです。

  答:お父さんの自動車の使用者がお嬢さんであってもかまわないと思います。所有者がお父さんであれば贈与の問題は起こらないでしょう。家族の間ですので、お父さんの自動車をお嬢さんが運転してもかまわない、と思います。むしろ、お父さんがお金を出して買った自動車をお嬢さんの名義で登録をする方が問題でしょう。お父さんが既に自動車を持っているということは、この際気にしなくて良いではないでしょうか。   (お断り:この相談は贈与税に関する相談です。所得税・法人税の扱いを言っているものではありません。)      

   住宅取得資金の贈与

   問:住宅を建てようと思いますが。自己資金がああまりありませんので、父に援助をしてもらって良いでしょうか

  答:贈与税に住宅取得資金贈与の特例があります。今年(令和3年)12月31日までに、この特例を使えば省エネ住宅の場合最大1200万円まで贈与税がかからない特例です。少し条件がありますので、ここには記載できませんがうまく利用をすれば、将来の相続税対策にもなりますので検討をしましょう。      

  相続手続がしてなかった不動産の相続     

  問:父の相続で受けた建物の一部に、既になくなって何年にもなる母の名義が残っていました。どうしたら良いでしょうか。

  答:お母さんの時には相続税の申告も不要であって、登記等の手続もしないままに現在になっているのですね。とりあえずお母さんの相続時の遺産分割をしてお父さんに所有権を移してから、今度のお父さんの相続手続をしましょう。いきなり相続人であるあなた(長男)に移すことは問題があるといけませんので、お父さんに相続をさせておいてから今回の相続にした方が良いと思います。遺産分割協議書を作りましょう(行政書士で作ります。)税金面からいうと必ずしも最も安くなるとはいえませんが、この方法が合理的・常識的だと思います。      

       不要な土地の売却

     問:父からの相続で受けた土地が、甲市にあります。この土地には、父の代からそこにある貸家に入居している人がいて、退去をしてくれません。この土地を売るにも売れなくて、困っています。何とかなりませんでしょうか。

  答:土地建物を売ったときの譲渡所得については分かりますが、売ることについては専門ではありません。専門の不動産業者さんに相談してみてはいかがでしょう。その地域の業者を紹介することもできますよ。    

会社での資金運用の範囲

問:会社で株や投資信託を買ったり売ったりして利益をあげようと思いますが、良いでしょうか。

  答:株などを頻繁に売買をして利益を上げようとすると、頻度の問題があります。極端に回数が多くて、本来のの業務ではないか、と見まごうようなときは別として、通常の資金運用の程度で株式等を保有したり売買をすることは問題はないと思います。極端に多いなどの場合は別途検討をする必要があるでしょう。
  

  住宅取得資金の負担             
     問:父の土地に家を新築しようと思っています。見積もりを取ったら2000万円かかるということです。母から相続をしたお金が1000万円ありますので、このお金を使っても問題はないでしょうか。また、住宅ローンを1000万円組もうと思いますが、いかがでしょうか

  答:相続で受け取ったお金はあなたのものですので、自由に使うことができます。もちろん、住宅取得資金にすることには問題ありません。住宅ローンを組むこともあなたのお決めになることですから、それで良いと思います。なお、お母さんの時に1000万円相続したということですが、お父さんが健在であればお父さんから1000万円を出してもらうことはできませんか。もしもそれができるのであれば、住宅取得資金の贈与の特例が使えるかを検討してみてはいかがでしょうか。この特例には条件がありますので、条件に当てはまるかどうかは検討をしてみないといけません。あるいはそのまま住宅取得資金を払ってもらってはいかがですか。その場合はそれぞれが支払った金額に応じて、持ち分登記をしないといけませんので、注意をしましょう。お父さんに資金の余裕がなければ仕方がありませんか、借入をしないですめば、そのほうが楽ですね。なお、住宅取得資金の贈与については別の質問として記載をします。


  借り入れをしてアパートを建てると有利か?

    問:不動産業者が、自宅の土地にアパートを建てることを勧めに来ました。説明によると、借入金をすることによって相続税が安くなる、ということですが、勧めに従ってアパートを建てた方が良いでしょうか。

 答:借入金は相続税の計算にあたっては引くことができます。しかし、税金は基礎控除後の相続財産に税率をかけて計算をするのに対して、借入金はそのまま銀行などに返済をしなくてはなりません。アパートを建てると貸家建付地としての評価減もありますが、入居状況が永遠に続くとは限りません。納税額が減ることばかりを考えるのではなくて、出て行くお金と入ってくるお金との全体を見て検討をする必要があります。できれば一度、相続税の試算をしてみてはいかがでしょうか     

   相続開始前の預金引き出し  

  相続税の申告書を作っていて気づくことがあります。相続が始まる少し前に、つまり被相続人(相続をされる人=亡くなった人)が、預金を下ろしていることがあります。もちろん、その方の財産ですのでどう使おうがご本人の勝手です。もし、仮に長い期間病気とかで動けなかったり、施設には行っておられたとしたら、どなたが預金を下ろしたかがわかりません。というより、はたして本人が下ろしているか、という疑問が生じます。私たちは税理士ですし、依頼をされた方のお話を、先ず信じて仕事を始めます。でも、税務署はそれが正しいかを確認をする必要があります。今は金融機関のATMの向こうで、ATMを操作している人を録画しているということです。本当に被相続人のために必要であっって、その使い道のためにお金を下ろしているのであれば問題ありませんが、相続権者が被相続人の預金を勝手に下ろして使ってしまうと後で問題になります。税務調査を受けやすくなるだけでなく、最近は相続権者同志でもトラブルになりかねません。相続税を安くするつもりでも、相続税の申告を作るときには当然それらの動きを確認します。実態をよく考えるのも我々の仕事です。     

事業承継の税制が変わりました                         2018.4.9

 問:私は小さな会社を経営していますが、高齢になりましたので、後継者に経営を譲りたいと思います。幸いこれまでの業績がよかったこともあり、顧問税理士に株価の評価をしてもらったらとても高いのでびっくりしています。何か良い対策はありませんか。
答:中小企業の事業承継は極めて重要な問題です。そのため、今年改正された事業承継税制は、これまでの制度を緩和し、贈与税と相続税を含めた税負担を、事実上0円まで軽減して、後継者に現社長達の株を引き継ぐことを狙っています。これまでと異なり、一人から一人への引継ぎに限定せず複数からもできますので、社長夫婦から息子へ、あるいは生え抜きの従業員へという組み合わせもできます。これまでは3分の2までの議決権株式数という制限があったので種類株を考えたり方策に苦労しましたが、今回はこれまでの80%から100%まで贈与税・相続税の猶予の対象になるなど使いやすくなります。従業員の雇用要件など既に緩和されている事項も一層使いやすくなりますので、ご心配の事業承継がたいへんやりやすくなりました。
 私共の税理士事務所では5月11日金曜日にセミナーを開催します。どうぞご参加下さい。
 セミナーについて質問は電話でどうぞ。電話 0566-41-1155                                 2018.4.12追加     

意思表示が難しい人からの贈与

問:妻がくも膜下出血で半身不随になって既に何年か経ちました。言葉も話せず、字も書けませんが意識はしっかりしていてこちらの言うことにはキチンと反応をしています。この妻の財産の一部を娘に贈与したいと思いますが問題はないでしょうか。

答:問題は本人の意志に従っているかどうか、をどう確認するかでしょう。本人の意思を無視して他のものが「こうしたい」ということでやってはいけません。幸い、本人の意志が確認できるのであれば司法書士とか公証人に依頼して、客観的に判断をしてもらう必要があるでしょう。客観的に、本人の贈与の意志が確認できれば贈与をすることができるでしょう。税務はその後です。

所得控除の引き方

問:個人で営業をしています。所得税の確定申告をするにあたって例年通り各種の所得控除を事業主から引いてしまったら課税所得が計算上マイナスになってしまいました。専従者は源泉徴収をした税金を納めていますが、社会保険料などを専従者から控除をしてもいいでしょうか。

答:所得控除の内、世帯単位で負担をしているものを調べてみましょう。例えば国民健康保険とか医療費と同じ世帯で生計を一にしている親族であればどなたでも控除を受けることができるものがあります。それらについては誰から引いたら有利かを検討しましょう。ただし、例えば年金から源泉徴収されている介護保険料などは他の人に持って行くわけには行きません。また、この例では事業主は所得があるようですからこれでよいのですが、青色申告控除後の所得金額が基礎控除(38万円)を下回っていれば、事業主自体を専従者の扶養家族等に入れることができることも覚えておきましょう

相手先不詳の仕入

問:魚の小売業をしています。素人の方が自分で釣った魚や、採った貝を持ち込んで買ってくれ、といいます。安くてものもいいのですが、これを買って販売をしても問題はありませんか。

答:仕入と販売の事績を整理・記録しておきましょう。仕入れたことを確認できるようにしておかないといけません。税務調査で否認をされると大変です。その上で相手先の住所氏名を確認したいのですが、相手が言いたがらないことがありますので、困りますね。消費税法では仕入税額控除を受けるための条件が定められていますので、あてはまらない場合は仕方がないので、消費税の仕入税額控除をあきらめて、消費税は納めるしかありません。もちろん、3万円以下とか競りにかけているとか、という条件に当てはまればいいのですが・・・。仕入と売上をキチンと対応をして法人税(又は所得税)で否認を受けないようにしましょう。

小規模宅地の特例について

問:相続税の申告に使う、居住用土地についての小規模宅地特例について教えて下さい。特例が使えない場合とはどのような場合でしょうか。

答:居住用土地についての小規模宅地特例とは、相続開始前に被相続人が居住していた宅地について親族が取得をした場合に330㎡までの課税価格を80%減額することができる制度です(平27.1.1.以降)。配偶者がこれを相続した場合には常にこの特例が使えます。①同居をしていた他の親族の場合は、相続開始から申告期限まで継続してそこに居住し、その宅地等を申告期限まで有している人、また②同居をしていない親族の場合は被相続人が配偶者がいない一人住まいで本人又はその配偶者に持ち家がない場合に限られます。申告期限までに譲渡をした場合には適用がありません。 相続税の申告期限までに遺産分割が終わっていないと適用がありませんが、手続をしておくことによって3年以内は特例適用ができます。この特例を使うことによって税金が0円となったとしても申告をしないと適用はありません。

クレジットカードと領収書

問:いろいろのものを買うのにクレジットカードを使って支払をしています。領収書ではなくてもクレジット会社の請求一覧表をとっておけばよいでしょうか。

答:ダメです。クレジット会社の請求一覧表は請求書ではありませんし、もちろん領収書でもありません。支払の時にサインをした用紙を整理して大切に保管をして下さい。ただしETCカードを使った場合などには事実上こういった書類がありません。その場合はどうしたらいいか私にも分かりませんが、私どもの事務所では、やむを得ないものとして処理をしています。1回の支払が3万円を超える場合などはまだ経験をしていませんが、そんなときはどうしたらいいのでしょうね。

会社の解散とM&Aの選択 

    問:会社の業績が悪いので解散しようと思います。費用はいくらぐらいかかるでしょうか

 答:解散手続費用については親しい司法書士に見積もりを頂いてみます。ところで、会社の精算の前に会社の譲渡=M&Aを考えてみませんか。成功するかどうかは別として、税理士会にも窓口がありますし、愛知県の事業承継引き継ぎ支援センターというのもあります。一緒に相談に行きましょうか。→その後、社長さんと話をして、このまま事業を継続することになりました。     

相続税対策は健康なうちに進めましょう

 問:最近、父の様子がおかしいです。物忘れが目立ちますし、時々訳の分からないことをいいます。相続対策として何かしておくことはありませんか。
答:それはご心配ですね。人間誰もがいつ死ぬかも分かりませんし、物事の判断ができなくなるかもしれません。健康な内に、本人の遺志をキチンと相続人に伝えておくことが大切です。最近は相続が争族だ、と言われるくらい親族間の争いになることもありますので、健康な内に準備をしておくことに越したことはありません。
 そこで先ずお勧めすることは遺言を作成することです。自筆証書遺言もありますが後日検認手続を取らないといけませんので、できるだけ公証人にお願いをして公正証書遺言にしておかれる方が良いでしょう。公正証書遺言は公証人の先生が本人の意思を確認した上で遺言書を作成して下さいますので、客観的に認められます。
 また、本人が意思をしっかり表明できる内に、必要な贈与等の手続を進めておくこともお勧めです。具体的には婚姻期間20年の配偶者への居住用不動産の贈与、暦年贈与制度の継続適用などを組み合わせてみる、とか状況を判断して相続時精算課税制度を採る、事業承継税制をうまく使う、などの技法を使いましょう。
 いずれにしてもあなたの置かれた状況を熟知している税理士とじっくり相談をすることだと思います。なお、ご本人に事理弁識能力がなくなってからは本人の財産をむやみに動かすと、後日の問題になりますのでご注意下さい。


    土地の譲渡前と譲渡後の節税対策を考える 

問:農地を持っていますが、生産緑地の縛りが切れますので、売却をしたいのですが何か節税策がありませんか?

 答:計画が具体的になる前に、土地の所有権を一部贈与することができませんか。農地ということで難しいかも知れませんが検討をしてみましょう。譲渡をして   現金化をしてから贈与または相続をするよりも税負担が少なくてすむかも知れませんので検討をしましょう。      

  会社でのセクハラ問題    

    問:会社を退職した女性から、在職中に夫である社長からセクハラを受けていた、ということで賠償を求める郵便が来ました。どうしたら良いでしょうか。

  答:そういった問題は私では答えられません。弁護士さんを紹介しますので、そちらにご相談下さい。      

      適正な地代

問:会社が使用をしている工場の建物は社長さんが持っている土地の上に建っています。地代を上げようとここに思いますがいくらくらいが良いでしょうか。

 答:会社と個人との間で借地権の問題が生じています。税法には、適正な地代、相当の地代という概念がついてきますので、それを踏まえて検討をします。借地権を巡っては注意が必要です。あまり高い地代ですと役員への贈与(給与)と認定されるかも知れませんし、あまりにも安い地代で固定資産税程度の金額では、借地権がないとされて、相続税における評価額に影響をすることもあります。土地の形状、所在地などを含めて検討をします。     

       会社と役員との取引     

   問:社長の持っている自宅を会社が買って、会社はこれを従業員宿舎として使いたいがどうか

 答:先ず、いくらで売るかということで「適正な価額」ということが必要です。適正な価額を決  めるのは難しいので一緒に検討をしましょう。その建物が建っている土地の所有者によって借地権の問題が生じますのでこれも検討をしましょう。その建物を会社が買い取った後で、仮に社長がそのまま住み続けますと、その家の状況によっては「豪華な社宅」という問題も発生しますので、事情によってはこの問題も検討をする必要があります。